医)審美健康会 山本歯科医院&横浜ホワイトニング・インプラントセンター
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院長の山本達郎です
今日は私の個人的な話でこのブログのページを書かせていただくことをお許しください。
マリス・ヤンソンスというロシア人?のオーケストラの指揮者がいます。
彼は1943年ラトビア リガ生まれのユダヤ系ロシア人で 現在73歳です。彼の叔父や祖父はナチスによってゲットーで殺されるという過酷な運命の下に生まれました。
マリスの父 アルヴィド・ヤンソンスもオーケストラの有能な指揮者でロシアの国宝級指揮者エフゲニー・ムラヴィンスキーとともにレニングラードフィルハモニー管弦楽団を支えていました。
マリスは1971年、カラヤン国際指揮者コンクールで2位の成績に輝きその才能の片鱗を示しました。
マリスは、ムラヴィンスキーの死後も レニングラードを任される一方 1979年からオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任しました。彼は2000年までこのポストにとどまり、国際的な知名度という意味では今一歩だったオスロ・フィルのレヴェル・アップに尽力しました。
こう言っては申し訳ないですが、このオーケストラはN響なんかの足元にも及ばない田舎オーケストラです。
それをマリスは鍛え上げ、ヨーロッパの群雄割拠するスーパーオーケストラに十分肩を並べるレベルまでになりました。しかし、当時は 彼らの音楽は世間にアピールしませんでした。そこで、マリスは自ら 自分たちの演奏を録音したものをCHANDOSなどのヨーロッパの中級レーベルに売りに商談にかけずり回りました。このときのヤンソンスの胸の内は「なぜこんなに素晴らしい音楽が売れないのだろう」というものだったのではないでしょうか?
結果は 大成功でした。CDとして彼らの音楽がヨーロッパはおろか米国やここ日本までもこの指揮者の性能を認めたのです。
このような努力によって、1992年にはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団というイギリスでは最も名妓性の高い楽団の首席客演指揮者に就任。
1997年から2004年までアメリカのピッツバーグ交響楽団の首席指揮者も兼任、1990年代を迎えると世界の一流オーケストラへの客演も本格化するようになりました。
2001年にはウィーン楽友協会の名誉会員に推挙されました。その2年後にはバイエルン放送交響楽団というドイツではベルリンフィルに次ぐ最高のオーケストラの評価の高い管弦楽団の首席指揮者に就任し、この楽団との関係は現在も続いています。
さらに2004年からはヨーロッパ最高の管弦楽団という評価もある ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の常任指揮者も務めるようになり、ヤンソンスは2つのヨーロッパ有数の名門オーケストラの常任を兼任する事になりました。
カラヤンコンクール入賞という輝かしい経歴を持ちながらも 30数年という歳月はヤンソンスを表舞台のヒーローにはなれませんでした。
しかし、ヤンソンスの奏でる音楽は オスロから始まり バイエルンもコンセルトヘボウも私は大好きです。
カラヤンのようにベルリンフィルという名人軍団をも 自らの意志と個性で屈服させる鉄の規律でしばる!ではなく もっと どのオーケストラでも その楽団員ひとりひとりの個性を尊重し 作曲家の音楽を 自然な! 誇張しない! 心が通った形で奏でます。作曲者の作った音楽を忠実に再現する一方 聞き手の我々も感動し満足する 音楽の美しさと楽しさ を教えてくれます。
ヤンソンスの音楽は現代人のスタンダードな形式を守る という音楽家の良心というかモラルを守っています。かつての大指揮者F・フルトヴェングラーのようにテンポを揺らしたり オーケストラを煽ることはありません。
ですから
一見 いや 失礼 一聴ですね 何も個性がないように感じる・・・
むかしむかし 私がヤンソンスの音楽を最初に聞いたときに 何もやっていないような・・・個性がない!と そのときは不覚にもそう思ったことを告白します。
料理でいうと一味足りない!と物足りなく感じたのはこのことだったと思います。
でも 聞き慣れるに従って 大時代的な 楽譜にない音楽を演出して演奏する のではなくて
きちんと楽譜にある作曲家が作った音楽をありのままに鳴らしている―ことに気付いて 改めてベートーヴェンを聞いてみると 「特に何もしていない」というリスナー評もあるけれど オーケストラメンバーと入念なリハーサルを行ったと考えられる 音の「色」の演出 細かな感情の表現 音に意味と重みを与えて 曲のもっている「音楽の必然」を鮮やかに表現していることに気付きます。
私は すばらしいな!と素直に思えました。
ロイヤル・コンセルトヘボウの常任指揮者就任コンサートはリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」でした。この管弦楽団の名妓性を存分に発揮した名演奏でした。
昨年 体調面を考慮し 同楽団を辞め 現在はバイエルン放送交響楽団の常任指揮者に専念しています。
この楽団は マリスの考えに柔軟に対応し その表現に追随する反応力に優れたオーケストラで、今は私の一押し マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏 これはもう現代 最高!と思っています。
もちろん音楽は人間のパフォーマンスですからフルトヴェングラーの奇数番号のベートーヴェンのシンフォニーの素晴らしさ も クナッパーツブッシュの巨大なワーグナー 特に 12回のバイロイトにおけるパルシファルの演奏の数々は人類の遺産 と思います。
でも!
マリスのバイエルンの演奏ほど クラシック音楽の聴く楽しみを味わえる幸せを感じさせてくれるものはありませんでした。
いいですね
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