2015年09月23日

トータルホワイトニングが正しいのですよ ホワイトニングの治療法は 本当のところ1つしかありません!

山本歯科医院 院長の山本達郎です。

私が目黒区ご開業の近藤隆一先生にホームホワイトニングを教えていただいて もう20年くらい経ちました。
今では 当時 ホワイトニングの元祖といわれていた近藤先生のお名前を若い歯科医師たちは ほとんど知らない時代になってしまいました。そういう意味では レジェンドなのかもしれません!
あれから当院では、ホームホワイトニングの欠点とオフィスホワイトニングの欠点を修正し、トータルホワイトニングとして生まれ変わらせて 現代のホワイトニングの最終形を歯科界に提案して今日に至っています。

さて 今では、ホワイトニングは特別なことではなく 必要であればいつでも行える 虫歯の治療と同等なくらいに 診療の中では浸透してきましたし、 治療で来院される患者さんの方で すでに審美的なゴールにホワイトニングを組み込んで 希望していらっしゃる方も「 ごく当たり前なこと 」と思っている時代になっています。

それくらい 患者さんの方はご自分の歯のことを研究し 審美歯科治療では “一般的な”治療メニュー自体が定着してきて 私もあまり審美歯科の基礎から話し込まないでも話がトントン進む時代になってきている、と感じています。

ところが ホワイトニング 特に 薬剤によるホワイトニング治療効果の高い オフィスホワイトニングにおける治療ミスや治療効果の誤解によるトラブルは 残念ながら 増加の一歩を辿っています。これは、大学教育の中でホワイトニングに充てられる時間がないことと 専門家が卒直後の歯科医師を正しく教える機会がないことが原因となっていると思います。
まして メーカーの素人の営業マンが 臨床医に教育してホワイトニング治療を普及させている現実が存在していました。これじゃ ダメ!に決まってるじゃないですか。

私が懸念しているのは ホワイトニングにコスメ的な側面があるせいか 思慮深くない歯科医師の一部が 用語も含め 術式 治療効果 原理 などを恣意的に解釈し ネットを使用して さらに誤りが拡散している現状です。

私は 患者さんへの治療効果を高めることと ホワイトニング薬剤による毒性を回避するために 「正しいトータルホワイトニング」を提唱しています。  
しかし、これと似た表現で 「デュアルホワイトニング」という言葉を使用する先生方がいます。「デュアル」という言葉は意味通りなら 「2通り」になりますね。つまり、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを単純に2つ重ねるやり方ということで これはトータルホワイトニングという術式の一部に過ぎず、私的には片手落ちに思えます。
それは、デュアルホワイトニングというコンセプトには 2種類のホワイトニングを同時に施術します という以外に 歯科医院が患者さんと歯をいっしょに白くしようとする熱意が全く感じられないからです。つまりオフィスホワイトニング後に、ホワイトニングで歯を白くしてゆくために必須な治療上のフォロー(サポート)の概念が全くありません!ホワイトニングの処置をし、薬剤を売って「おわり」です、これじゃ ダメです。

現代のホワイトニング治療の要望は、歯自体の明度(明るさを上げる)や色相(色を抜く)以外に、すでに口腔内にある古いセラミックをより自然に魅せるために メタルコアを除去してファイバーコアに修正した上で セラミックやジルコニアによるクラウンで再度修復し まるで自分の歯が蘇ったかのようにするためのもの その前準備として ホワイトニングを行うケースが多くなってきています。そのような場合 ある程度の時間をかけて 「患者さんが求める歯の白さ」 をいっしょに実現しなければなりません。デュアルホワイトニングというシステムでは、オフィスホワイトニング後はホーム薬剤を渡して治療が終了してしまうかのような印象があります。あるいは ホームホワイトニング後に治療費の高いオフィスホワイトニングの施術を売りつけるか!といったところですか(笑) 

このことは 私が歯科業界誌や歯科医師向けの学術講演で度々話していることですが ホワイトニング治療ではまず治療の開始時に1回だけオフィスホワイトニングを施術すればいいことなのです。オフィスとホームを節操なく組み合わせる術式は 患者さんに治療費を請求するための方便にすぎず あまり頻回に繰り返せば歯のエナメル質にダメージを与える可能性さえあります。

そもそもオフィスホワイトニングの施術にかかるコストはセラミック冠を作るくらいのコストがかかりますが、モノで対価を支払っていただく治療ではないことから、たいていのクリニックでは、ホワイトニングでは実際にかかるコストに比べ患者さんに請求する金額を低く抑えているのではないでしょうか? ですから 歯科医院サイドとしても、利幅の低い中でやりくりしているはずなので 治療の失敗や効果が出ないシステムでクレームを招くような事態を甘受する余裕はないはずです。

しかも日本の厚労省の認可を受けているシステムの中ではジーシー社のティオンオフィスがダントツで それ以外は 臨床上 患者さんの満足度を獲得することはほとんど望めない製品ばかりというのが正しい認識だと思います。即ち 実際に正しくホワイトニング治療を行おうとすれば、歯の治療 −カリエス治療や歯髄治療― と同じように歯科医院ごとに術式に差があったりするわけではありません。正しいホワイトニング治療のやり方は決まっている!のです。もし他と違って 自院のシステムが他院より優れているかのような表現がネット上に踊っているとすれば それは過剰な表現か自己陶酔した言い分に過ぎないと考えてかまいません。

歯が白くなる物質はフリーラジカル1つしかありません。ホワイトニング薬剤中に過酸化水素が含まれているかいないか なんて無関係です。「過酸化水素は歯を痛めます。(ウソです!)この痛める物質を含まない画期的なホワイトニングです!」みたいな ― こんな子供だましみたいな表現に騙されないでください。
ホワイトニングをホームホワイトニングだけで行おうとすれば きれいに仕上げるのに3−4か月かかります。当然 ホワイトニング薬剤代もかなり嵩みますし、健康に為害性あるフリーラジカルの摂取も増えることになります。しかし、フリーラジカルを恐れて それを含有しないシステムを選ぶと、歯は全く白くなることはありません。ですから健康面も考慮すれば フリーラジカルの使用量を最小限に抑えて最大限の効果を生むトータルホワイトニングで、治療期間を約3分の1にする治療法が 「 早く 楽に 安全なホワイトニング 」となるわけです。
最近は ポリリンホワイトニング(フリーラジカルなしで効果もなし)とか ケンズホワイトニング(既製品の混合で、厚労省の認可なし)とか が出ていますが 歯科医師も含め 情報に惑わされないことが賢明です。




posted by 達さん at 18:26| Comment(0) | Blog | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月07日

CTはどういうときに撮影するのか

山本歯科医院 院長の山本達郎です。

最近は 開業医の間でも 歯科用CTを装備している歯科医院が増えているようです。日本では、全体の約1割の歯科医院でCTが装備されているようですから、今では「歯科でも必要に応じてCTの撮影をするんだ」と、かなり多くの皆様方も周知されているのではないか、と思います。

当院でも 院内改装するときに 古いシステムを一新して通常のレントゲンをデジタルレントゲンに置き換えるとともに、CTも新たに装備するというフルモデルチェンジしました。
CTの話の前に、デジタルの話を簡単にします。そもそも、フィルムレントゲンというのは放射線のエネルギーで写真フィルムを感光させて、正常な部分と疾患のある部分をフィルムの濃淡で診断していたわけですが、フィルムレントゲンはときどきアーティスティックエラーといって 健全な部分でも感染部位のように暗く映ることもありまして、実際の診断は歯髄反応や肉眼での経験に基づいた判断も含めた複合的な診断要素によって決まります。これに対し、デジタルレントゲンは画像をひと目ご覧になった患者さんならすぐにわかると思いますが 画像にそうしたエラーがなく非常にクリアな画像になるので、歯科医師だけが「これは虫歯だな」と思うのではなく、誰が見ても「ここに虫歯がある」というふうにわかるケースが多くなります。そういう意味では、治療における歯科医師と患者にとっての共通な認識が容易になるので 症状のまだ出ていない虫歯の治療でも納得して進められるようになると思います。
また被ばく量も圧倒的に減るので、問題なく対応できると思います。そもそも、歯科用のレントゲン被ばく量は妊婦さんでも大丈夫!と放射線学会でも認められている量なので、そもそも心配するものだはない、ことも合わせて述べておきます。

さて、CTについてです。
CTと一口に言っても、歯科のCTは病院のそれとはだいぶ異なります。そもそも皆様方が放射線に関し、もっとも御心配されることは「被ばく量」だと思います。
ところで、放射線の体内への摂取というものはそもそも診療所のレントゲンだけではなく、紫外線によるものや飲食物に自然に含有されているものもたくさんあります。私たちが呑む水道水やミネラエルウォーターなどにもしっかりと含有されていますし、一見「健康に良いのかな?」と思われるものも、冷静に考えると「微妙」なものもあります。例えば 温泉などで「ラジウム泉」と謳っている温泉だと 悪く言えば 「わざわざ健康に良かれと考えて 温泉で放射線の被曝を受けるために行くことに他ならない」わけですし、そこで食べるラジウム卵は「放射線をわざわざ摂取している」ことになるわけです。
国際放射線防護委員会(ICRP)では年間1smSv(ミリシーベルト)以下が推奨されています。日本における自然に水とか食物より摂取される放射線量は1.5smSv(ミリシーベルト)と言われています。原発事故の福島県では0.04smSv(ミリシーベルト)になっています。日本の水産物の輸入規制をしている韓国ですが、その国の首都ソウルではなんと!4.32smSv(ミリシーベルト)という100倍以上の放射線量になってます。けど、韓国の方々 そんなにひどいことになってないと思います。ブラジルのある都市では10smSv(ミリシーベルト)を示しているところもあるようです。

けっこう 地球って 放射線だらけ なんですね。

ところで
医療による実際の被ばく量はどうなっているんでしょうか。
医科用のCTは 6.9smSv(ミリシーベルト)これはさすがに!です。
胃のレントゲンは 0.6smSv(ミリシーベルト)
歯科のCTは 0.1smSv(ミリシーベルト)
ついでに 歯科のパノラマレントゲンは 0.03smSv(ミリシーベルト)
です。
ということで歯科治療に関してはCTの被ばく量は非常に少ないという事実を実感できます。

因みに
東京―ニューヨーク往復の旅客機の被ばくは0.19smSv(ミリシーベルト)
お水は 1日2リットルを1カ月で 0.01smSv(ミリシーベルト)
となります。

これで歯科用のCTの被ばく量に関し 短期に10回も撮るなんてことがない限り、特に問題になるレベルではないことがおわかりいだかけたと思います。

ところで、この歯科CTを用いるとどういった便利なことがわかり、みなさんにとって有利な情報が得られるのでしょうか。

私がCT撮影を患者さんに実施するときのポイントは以下の項目です。

1. 下顎の親知らずを抜歯するときに 歯根の先が顎骨内の神経に触れていないか
2. 上顎の親知らずを抜歯するとき 上顎洞に穴が開かないか
3. レントゲンで不明瞭な透過像があって 腫瘍を疑う時
4. インプラントを埋入するときに どこに埋めれば安全で確かな位置に埋められるのか、精密に測定するとき
5. 咬合痛があるとき 歯根が破折しているかどうかレントゲンだけで診断できないとき
6. 上顎で歯根に膿が溜まっていて 上顎洞粘膜との境界が不明瞭になっているとき(上顎洞に歯からの膿が及んで、骨に実質的に穴が開いている)
7. 6の逆ですが 上顎の根の治療が完了しているにもかかわらず 鼻炎が治らないときに、本当に歯が治癒しているか?を確認するとき
8. 萌出しないで骨内に埋伏している歯を抜く必要があるかどうかを診断するとき

などです。
いずれにしても CTで診査することで 

「治療を始めてみても 治らない症例であるか が事前に判明する」

「親知らずの抜歯やインプラントも含め 外科処置を安全に行える。何がやれて、どうやらなければならないか を事前に知ることができる」

「患者さんの疾患を正確に診断でき 必要な治療法を予め知ることができるので、その先を読んで 治療プランを立てたり、二次医療機関への紹介をスムーズに行える」

ということです。

通常のレントゲンは我々の肉体を2次元で重ね合わせて写すだけなので 2つ以上の部分が重なって映っている部分が本当のところどうなっているのかはわからなかったのです。また、レントゲンは大きさや長さの正確な測定ができませんでした。ですから インプラント手術などで長さの測定が必要になる場合でも、臨床医としての経験則に基づいた勘が大きな判断基準でした。しかし、今は 完全に実測できますので、われわれ臨床は患者さんに できること と できないこと を事前にはっきりと示せるようになったことは素晴らしいこと思います。

CTは保険でも必要があれば撮影することができます。保険では窓口支払い分が約4000円です。ただし インプラントに関する相談のためのCTは保険の適用がないので、当院では12000円(税別)の費用をいただいております。

まとめとして CTは歯科の治療の診断に非常におおきな役割を果たします。CTによる被ばく量を懸念される方もおられるかもしれませんが、現代のCTは実際の被ばく量は非常に少ないため全く懸念する必要はありません。
posted by 達さん at 16:25| Comment(0) | Blog | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする